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教育長のあいさつ

ページID:0000959 更新日:2023年4月3日更新 印刷ページ表示

 令和3年4月1日をもちまして、伊平屋村教育委員会教育長を拝命いたしました与那覇 了と申します。島で生まれた者として「島立ちの教育」を中心に据え、伊平屋村教育全般の発展充実のため、誠心誠意努めて参ります。どうかよろしくお願いいたします。
 本村教育委員会の施策は「学校教育」「社会教育」「文化財の保守整理」の三本柱をしっかりと、地に足をつけた地道な取組の日常化を目指しております。
 学校教育では、教職員研修として、ライフスキル研修を終日3日と、村内三校合同研修(授業研究)を年間3回実施しております。その他に、年度当初に特別支援教育研修、教職員の現職研修、教育長講話等の講演会を実施しております。
 本村は、高等学校がないため、子供たちは15歳で島を離れその後は殆ど成人して島に戻ることのない現実であります。そのために、生涯、どこの地でも逞しく生きていける人材を育成しなければなりません。都会の子に劣る学習環境を改善して、確かな学力を身に付けさせるべき方策として、小学校6年生と全中学生を対象に村塾(てるしの塾)を年間を通して週3日開設しました。
 夏休み期間中には、東京大学の学生7名を要請して「東大塾」を10日間開設しております。対象は、小学校6年生から全中学生を全員参加で受講させております。「東大塾」に関連して東京ディズニィー研修と併せて東大訪問を行い施設見学と東大生との交流を行っております。
さらに、英語キャンプを、3日間実施しており子供たちからは好評です。講師は、本村の英語講師を中心に、那覇や名護市から2名要請しております。大きな目玉として、中学生対象のアメリカへの短期留学(3週間)は、3名派遣しております。派遣された生徒は、12月開催の村学力向上推進発表会で、プレゼンテーションが義務づけられております。
また、「世界一のおもてなし」の習得と人間としてどのような仕事でも誇りを持って取組、社会貢献できる人材育成を目指し、東京ディズニーランド研修を実施しております。対象は、小学校6年生、中学校3年生です。
 他には、地域の人材を活用した「夏休み子ども教室」も開催しております。対象は、全小学校・中学校生で、子供たちの興味関心を引きだたせる内容にしています。教室は、絵画・美術教室、伊平屋島探検教室、水泳教室、昔の遊び・おもちゃ作り教室の全四教室を開催しており、夏休みの貴重な体験学習の場にしています。
 社会教育の視点では、毎月第3水曜日を「伝統文化活動日」に設定して、地域人材を講師に、5集落の公民館で三味線や舞踊から物づくり等幅広く展開し、地域に密着した特色ある活動を行っています。合わせて、弁当の日にしています。島発ち後の生活に困ること無く食事が作れるよう親子の日として定着しています。
また、健康作り推進及び基本的生活習慣の確立を目指して、毎週月、火は小学4年生以上の集団登校を推進しています。また、朝のあいさつ運動を各集落の老人会の協力を得て、さらに充実させたいと思います。
さらに、各学校の図書館教育と連動した、親子読み聞かせ活動を各集落の公民館で休日に実施していますが、日常化に向けてさらなる努力支援を考えております。
 社会体育の視点では、村体育協会(事務局は教育委員会内)と連動して、各種球技大会や村陸上競技大会の実施をしています。特に、陸上競技大会は、各集落対抗とし、老若の種目を設定し、合わせて、応援参加人数も得点化して総合優勝に貢献できるようにしています。
また、離島のハンディを克服すべく、小中学生の島外派遣費を設置して支援をしていま す。
一方、本村は、沖縄県でも有数の神の島と言われております。島の地形からくる独特の景観は、まさに、万の神々が宿るイメージを醸しだし、島を訪れる人々が「癒やし」を体感出来ると言われるゆえんでしょう。
 2016年3月1日付けで、樹齢300余年の「念頭平松」、2021年3月26日付には「伊平屋島のウバメガシ群落」が国指定天然記念物として文部科学省より指定を受けました。 伊平屋島は天照大神伝説が残る日本最南端の島であります。島の北部にある「クマヤ洞窟」はまさに天照大神が隠れただろうと思わせるほど神秘的で神聖な場所です。「念頭平松」のすぐ側に2017年12月3日遷座祭を執り行い「伊平屋天巖戸神社」が建立されました。
 文化財の保守整理の一環として、コンサル会社の皆様や埋蔵文化財及び民族文化学者の皆様のご指導ご協力を頂き、 2カ年にわたり悉皆調査を実施しました。その結果、新たな「グスク」や、見張り台の目安となる「遠目番」の発見を得ることができました。今後もさらなる、過去へのロマンを追求したいと思います。
また、本村には、古琉球王朝につながる「屋蔵大主」の墓があります。その屋蔵大主の屋敷跡は地形上どこに位置するのかを調査しているところでありますが、屋蔵の文字からも読み取れるように、穀物類の保管のために創設された「八つの高倉敷地」が屋敷跡と思われます。
 結びに、琉球列島の中でも、島の成り立ちは最も古いと言われ、学術的にも未開拓な部分が多く残る本村の未来へ羽ばたく若者と、学び続ける大人との融合した「癒やし」の住みよい村づくりを創造すべき、確かな人材育成を目指して今後もより一層の努力を続ける決意であります。

教育長

与那覇 了