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新地方公会計制度に基づく財務4表
新地方公会計制度に基づく財務4表
新地方公会計制度の概要
これまでの地方公共団体の会計は、単式簿記、現金主義会計の下で財政運営をしてきました。この会計の目的は、現金の増減のみに着目し、与えられた予算をその年度内にきちんと使うことができたかを議会に報告することであり、決算書もこれに基づいて作成されています。
しかし、現金主義会計では、どのサービスに幾らのお金が使われたかというのはわかるが、人件費や物件費などの内訳はすぐには分かりません。またこれまでに整備した資産の状況や、今後返済すべき地方債(村の借金)等の残高など、ストック情報も正確に把握できません。
このようなことから、平成18年6月に成立した「行政改革推進法」を契機に、同年8月31日の総務事務次官通知「地方公共団体における行政改革の更なる推進のための指針(地方行革新指針)」において、「新地方公会計制度実務研究会報告書」で示された普通会計及び連結ベースでの財務4表(貸借対照表、行政コスト計算書、資金収支計算書、純資産変動計算書)を作成し公表する「新地方公会計制度の整備」が位置付けられました。
- 地方公共団体は、総務省の「新地方公会計制度研究会」が示した「基準モデル」又は「総務省 改訂モデル」に沿った発生主義・複式簿記の考え方を導入し、地方公共団体単体及び関連団体(土地開発公社等)の連結ベースでの4つの財務諸表を整備すること(財務4表:貸借対照表、行政コスト計算書、資金収支計算書、純資産変動計算書)
- 人口3万人以上の団体は平成21年度中に作成し、情報を開示することとされています。
伊平屋村の取組み
伊平屋村では、「基準モデル」に基づく財務4表(普通会計、連結)を公表しています。
「基準モデル」では、民間企業会計の考え方を取り入れ、複式簿記・発生主義会計による財務データを用い、村所有全ての資産を時価評価する必要があり、伊平屋村では、平成22年度決算からすべての資産(土地、建物、備品、道路等)の調査・把握・評価を行っています。
平成22年度
平成23年度
平成24年度
平成25年度
平成26年度
平成27年度
平成28年度
連結対象とした会計
一般会計、特別会計(国保・水道・農排・港湾・後期高齢・船舶)、一部事務組合、広域連合
連結=単体(普通会計1会計、特別会計6会計)+外郭団体(一部事務組合、広域連合など)
普通会計
平成22年度
平成23年度
平成24年度
平成25年度
平成26年度
平成27年度
連結会計
平成22年度
平成23年度
平成24年度
平成25年度
平成26年度
平成27年度
※平成28年度より統一的な基準により財務書類を作成
一般会計財務書類
全体会計財務書類(一般会計+特別会計)
連結会計財務書類(全体会計+外郭団体)
財務書類4表構成の相互関係
【貸借対照表】BS
村の財政状況を一目でわかるようにしたもので、年度末に保有する資産、負債、純資産を表示しています。資産合計と負債および純資産合計が同額となる(バランスする)ためバランスシートとも呼ばれます。ストックの財政状態を表しています。
【行政コスト計算書】PL
企業の損益計算書にあたるもので、1年間の行政運営コストのうち、福祉サービスなどの提供といった資産形成に結びつかない行政サービスに要したコストを、人にかかるコスト、物にかかるコスト、移転支出的なコスト、その他のコストに区分し表示したものです。フローの財政状態を表しています。
【純資産変動計算書】Nwm
純資産変動計算書は、財政状態のフローを純資産の変動の角度から見たものです。村の純資産がその年にどのように増減したかについて財源の変動、資産形成充当財源の変動、その他純資産の変動に区分し表示したものです。フローの財政状態を表しています。
【資金収支計算書】Cf
これは、今までに作成してきた決算書とほぼ同じ内容です。すなわち、現金(資金)の出入りがどのようになっているかで、1年間の資金の増減を、経常的収支、公共資産整備収支、投資・財務的収支に区分して表示したものです。フローの財政状態を表しています。